2012/09/13

父の俳句

最近、父が俳句を詠むようになりました。

          201209070953000.jpg

そのおかげか、以前より機嫌よく
体も脚も、積極的に動かすようになりました。

少し前までは、疲れるから、歩くと時間が掛かるから、と
家の中でも歩こうとせず、じっとダイニングの椅子に座ったまま。

用を足すのも、自分の席で尿瓶に・・・という有様で

思うようにならない脚に心が安定せず、
イライラする気持ちを募らせて、

「脚が動かない、歩けない。こうなったらもうどうしようもない。」と
不平や不満ばかり口にしていました

病気が進んでいく不安、死への恐怖・・・
錯綜する様々な気持ちで、

病気も、人生の終わりを迎えようとしていることも、何もかも、
素直に受け入れる。ということが、難しかったのだと思います。

物忘れも激しくなり、先日は、つじつまの合わないことを
病院の先生の前で言い出したので、

ああ、とうとうボケも始まってしまったのか?と、
家族で覚悟をしたくらいでした(笑)

しかし・・・俳句を詠むようになってから

自分の気持ちを整理できたり、
自分の状況を冷静に見つめられるようになったのか?

生まれ出ずるものの宿命としての「死」のこと、

また、家族(母)への想い、感謝の気持ち・・・

綴られている言葉から、

穏やかな心をようやく取り戻すことが
できたのかもしれない。と

感じました


そんな父の句を、少しご紹介させてくださいね。

秋の風 不具者喜ぶ 窓辺かな

不具者とは、父のこと。
どうしても、自分は不具合な者。としか思えないようです。


秋風や 吾が身廻りの 整理かな

秋風と共に、そろそろ自分の身の廻りの整理を(人生の終わりの準備)
しなくては・・・ということかな。


つくつくし 残り少なし 猛勉強

つくつくぼうしのことを詠んだ歌は多いです。
つくつくぼうしは、父のこと。

もうすぐ命つきてしまうつくつくぼうしと、
自分とを重ね合わせ、残された時間は少ない、
猛勉強しなくては!と意気込んでいる様子。


天高し 負けじと高く 病める脚

高い空に負けないくらい病気の脚を高く上げてみた。
(でも、きっとほんの少ししかあがらなかったことでしょう。)


母のことを想った句もたくさんありました。

澄める空 妻留守にして 澄まず我

これは、おそらく母と私と二人で最初に整体に出かけた日のことだと思います。
「空は澄んでいるけれど、妻が留守なので、自分の心は澄んでいない。」

少し遅くなって、母が家に帰った時、
父は「もう母さんは帰ってこないのか?と思って心細かった。」と
言ったそうです。(きっと泣いていたと思います・笑)

厄介者の自分に嫌気がさし、母が家出をしたのではないか?
自分は捨てられたのではないか?そんな不安でどうしようもなかった日。

そんな「澄まず」なこころを詠んだ句でしょう。


秋時雨 妻の苦悩を 想いつつ

「かあさんが大変だ、かあさんが大変だ。」と
父は良く言っています。
母の方が先に倒れるのではないか?
自分の世話でつかれているのではないか?

そう慮りつつも、つい母に甘え、我侭ばかりを言ってしまう。

そんな父です。


天高し 妻を便りて 窓辺立ち

やはり不在の母を想った句。

頼りて、ではなくて、便りてなので、

家にいない母のことを、どうしているか? なにをしているか?と
思いながら、窓辺に立ち、高い空を見上げていたのでしょう。


きっと父は、穏やかならざる気持ちを、言葉をつむぐことによって
俳句へと昇華させることができたのだと思います。

不平不満愚痴ばかりを言い、病気の苦悩を
不機嫌にいくら訴えかけても、

誰も、聞いてはくれません。

私も、そんな父をずっと見ていて、
理解してあげたいけど、わかっているつもりだけれど、

本当に、父の苦悩に寄り添ってあげることはできなかったように
思います。

それより、何故いつまでたっても、そんな考え方しかできないのか?!
我が父親ながらに、呆れていた。というのが正直な本心です。

でも、父の作った句を読むことで、

父の想いや、苦しみ、悲しみ、不安・・・
いろんなことが、すっと心に入ってきて、

ああ、淋しかったんだなあ、苦しかったんだなあ。と
初めて解ってあげられたような気がしました。

だから、これからもたくさん俳句を作って欲しいです!

それを一冊の本にして、立派な表紙を作って・・・
と、父との新しい目標ができました。


そんな父を・・・

昨日は、また妹と二人で皮膚科に連れていったのですが、

今まで全く自分で操ろうとしなかった車椅子も、
車輪を手で漕ぎ、自ら動かす練習をしてみたり、

家の中でも、歩行器を使ってあるいたり
(久しぶりに仏壇を見た!と言っていました・笑)

積極的に体や脚を動かそうと努力していました。

今までは、怒りながら不機嫌に・・・でしたが、
穏やかな気持ちであれば
不思議に脚もすんなり動かせるようで、

心と体とは繋がっているんだなあ。と
つくづくと感じました。

もう、尿瓶も使いません(笑)

どんなに時間が掛かろうとも、お手洗いにも自分で歩いて
行くようになりました。

お手洗いで思い出しましたが、こんな句もあります。

秋の朝 溜まった運子(ウ○コ)やっと出し

失礼
でも、これには、大笑いしました!(笑)


こんな紙切れに、毎日たくさんの句を作っています。
            ↓
          201209130821000.jpg

最初の画像は、ヒデキがワードで打ってプリントしてきてくれたものです。

頼んだ次の日にやってきてくれて・・・
ヒデキにも感謝です


また、どのように変わるか解りませんが、

父は、ようやく長い苦しみから抜けだし、
ひとつ階段を上がれたのかもしれません。

今後、少しずつ病気が進んでいく中で、
どんな風に父がそれを乗り越えていくのか?

それを見ることは、私達にとっても
「人生のひとつの終わり方。」を学ぶことでもあると
思っています。

人生の大きな宿題である「死への覚悟」
それが出来てからが

本当の「生きる」であるのかもしれませんね。


覚悟が出来たら、後は日々を思いっきり楽しみましょう

お父さん・・・
今日は、大好きなラヴェルのボレロを思いっきり聞いているかな




スポンサーサイト
未分類 | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
No title
ミサコさ~ん、ちょくちょくブログは見させてもらってます^^
お父さんも、お父さんに対するミサコさんの気持ちも本当に素敵です!!!
本当にそうですよね。
私の父も病気と共に生きているんですが、やっぱり、最初のうちは大変でした(笑)今では病気自慢をしている感じもありますが、うまく付き合いながら日々を過ごしている感じです。
人生に順番って必ず誰もが経験することなんでしょうが、ミサコさんのブログを読んで、私ももうちょっと父母に優しくしなくっちゃって思いました^^

マイコちゃ~~~ん!!!
元気ーーーー?!!!e-266

私も、マイコちゃんどうしてるかな?って
変わらない(笑)マガンダブログ見たりしていました。

だから、マイコちゃんからのひさびさのコメント、
すっごく嬉しいです~e-259

お父様もきっと日々いろいろおありになると思うのに、
病気自慢にして(笑)過ごしていらっしゃるって・・・
それこそ、素晴らしいです!!!e-442

父もそのくらいになってくれればいいのですが。

先日は、母に
「お前は俺と結婚して後悔しているだろう?」などと
言ったそうで・・・e-351

基本的にネガティブ思考の父らしく、

悲しい苦笑い。しかできませんでした(笑)

でも、なんとか・・・なだめたりすかしたりほめたり?(笑)で
これからも、励ましていきたいと思っています。

さてさて、ところで・・・

Magandaちゃんは、いつ頃再オープンになるの?e-349

いつもの西銀座の乗り換え時に、

元Magandaのお店の前を
さみしーーーーe-259気持ちで
通り過ぎています。

マイコちゃんや、アヤヤさんに会えなくなって
つまんないーーーe-442

オープンの折には、ぜひぜひ!すぐに連絡してねe-348

p.s.マイコちゃんとお揃いのゴールドシューズv-352
ヘビロテで愛用中です~e-319
マガンダワンピースもたくさん着ましたよ~♪


管理者のみに表示